法改正の動きから、荷主企業が物流コストについて考え、備えておくべき事
はじめに
2024年度のトラックドライバーの働き方改革関連法の適用、2025年度の改正物流効率化法、トラック法の施行に続き、2026年1月の下請法から取適法への改正、更には2026年度4月にも物効法、トラック法の段階的な施行と、昨今国内物流を舞台とした著しい環境変化が続いています。
荷主企業のビジネスにおける適法性を担保しつつ、利益を創出するという至上命題に応えていく為には、従前とは違うレベルで荷主企業自身が物流に介入していく必要があると考えます。また、これら法改正の動きは、荷主企業が負担する”物流コスト”に大きく影響を及ぼします。
すなわち物価高騰に加えて、取適法やトラック法をはじめとした各種の法改正によって、荷主企業はこれまで以上の物流コスト上昇局面へ備えておかなければいけないという事です。
その為には、まず物流コストに対する正しい理解をもって、自社はどの様な備えが必要なのか?という事に答えを出していく必要があります。
【関連サービス】現状コストを客観的に分析し、無駄の削減やコスト最適化のための具体的な改善策をご提案。
≫「物流コスト妥当性評価」の資料請求はこちら(ダウンロード無料)
物流コスト=単価×物量
まず普段皆さんが向き合っている物流コストとは、どの様な要素で構成されているのでしょうか。物流コストとは単価と物量の掛け算です。こう表現すると非常に単純なロジックに聞こえますが、実際現場では単価編重の視点が強い荷主企業の担当者にお会いする事は珍しくありません。
今更説明の必要もないかもしれませんが、ここでいう”単価”とは、配送費や、保管費、荷役・作業費等の単位あたり費用の事を指します。先ほど単価編重の視点と申しましたが、物流コストを考える上での重要要素の 1 つである事は間違いありません。その為、物流コストを向き合う上では、この自社が有する“単価”を様々な水準と比較検証するという取組みは外す事はできません。例えば、自社の単価と標準運賃や積み上げ運賃、業界・エリア相場とそれぞれ比較してみると、ある一定の幅の中で自社の単価にはどの様な未来が待っているのかを、垣間見る事が出来るはずです。また、積み上げ運賃の試算からは様々な示唆を得る事が出来ます。自社の輸配送費の原価構造の全体観、特にインパクトの大きい原価科目、あるいは逆の性質をもつ原価科目等、どこに自社の物流コスト上昇のトリガーがあるかを概観する事ができます。
単価に掛け合わさる”物量”についても、自社の物流コスト全体に対して非常に大きな影響力を持っています。この”物量”とは、工場から拠点や、拠点間の横持ち、拠点から顧客納品先等、自社のサプライチェーン上の各工程で流れる、単価に掛け合わさる単位の量を指します。通常最も効率的な動きは、製造元等の輸送発生源から滞留する事なく、直線的に最終納品先に流れる状態と考えられます。ただし、実際には転送・横持ち、返品などによって、横移動や逆流が発生するのが通常です。ここで大切な視点は、その横持ちや転送の量・割合が高いのか低いのか、またこれらの発生要因はどの様なもので、是正する為には今後どの様な取組みが必要になるのかといった事です。これまで物流は、製造や販売等の上流工程の受け皿的要素が強かったこともあり、この”物量”については改善の余地がまだまだ残されています。
おわりに
これまで荷主企業にとっての物流コストは、単価を見て委託先を決める際の指標としての向き合い方が主であったかと思います。ただし、昨今の物流事業者を取り巻く外部環境の厳しさ、同時発生的な法改正によるパラダイムシフトから、これからの物流コストとは、荷主企業が行う物流の効率性を図る指標に変化していくものと考えられます。ただし、これらの取組みは部門を跨ぐ調整を要する等、一朝一夕にはいきません。次の段階的法改正を前に、まずは自社の単価×物量の現在地を明らかにし、いつまでに何を備えておくべきなのかを明確にしておく必要があります。
当社では「物流コスト妥当性評価」というサービスを展開しており、前述の単価の水準や、物量の特性・傾向から課題点、備えるべき事項を、各社のビジネスに即してお伝えする事が可能です。次の段階的法改正を前に自社の現在地を明確にし、今後の取組みを確かなものにしてみてはいかがでしょうか。
【関連サービス】物流コスト妥当性評価

自社の物流コストの妥当性を知ることで、物流会社との交渉力の向上が図れます。
荷主企業の運賃・荷役料・保管料の妥当性評価を行うことで、貴社物流コスト(個建荷役単価・個建保管単価)の妥当性を検証し、物流企業からの値上げに備えましょう。


