「トラック新法」で「公正な評価に基づく賃金の支払い」が「法的義務」に!
「2024年問題」の余波が続く中、物流業界は今、さらなる大きな転換期を迎えています。2025年6月に公布された「改正貨物自動車運送事業法(トラック新法)」により、これまで努力目標に近い扱いだったドライバーへの「適切な処遇」が、ついに明確な法的義務へと変わります。
今回は、事業存続の条件とも言えるこの「トラック新法」の核心部分と、企業が今すぐ取り組むべき評価制度の在り方について解説します。
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改正法の施行スケジュールと新たな義務
2025年6月に公布された「改正貨物自動車運送事業法(トラック適正化二法)」では、以下の内容が盛り込まれています。
- ①委託次数の制限
- ②運送契約書面の交付義務・実運送体制管理簿の作成義務対象者の拡大
- ③違法な「白トラ」に係る荷主等への是正指導
- ④事業許可の更新制
- ⑤適正原価を下回る運賃の禁止
- ⑥ドライバーの待遇改善義務化
①~③は2026年4月1日に施行、④~⑥は公布から3年以内(2028年6月)に施行されることが決まっていて、⑥ではトラック運送事業者の義務として、「労働者の適切な処遇の確保のために必要な措置を実施すること」が追加されています。
「労働者の適切な処遇の確保」に関する条文
一般貨物自動車運送事業者は、その事業用自動車の運転者その他の労働者が有する知識、技能その他の能力についての公正な評価に基づく適正な賃金の支払、その他の労働者の適切な処遇を確保するために必要な措置を実施するものとする。
「公正な評価」が事業継続の鍵を握る
上記によって、ドライバーの能力に応じた「公正な評価」と「適正な賃金」の支払いは、努力目標ではなく明確に「法的義務」となります。5年ごとの事業許可更新の要件にも含まれます。売上や距離などの歩合だけに基づく賃金では要件をクリアすることは難しくなるでしょう。
事業許可を更新することだけを目的にせず、形式だけではない「実効性のある評価賃金制度」を構築していただければと思います。



