拠点は「どこ」に置くべきか?今後の物流の命運を担う拠点配置戦略
現在の物流業界は2024年問題を経て、ドライバー不足・物価高騰・法改正等、様々な切り口・角度から変化・影響を受け続けています。それらの影響は単なるコスト高騰ではなく、物流ネットワークそのものの維持が難しい状況になりつつあります。多くの企業が拠点集約を検討されています。
しかし、拠点を単に減らせば良いというわけではありません。拠点配置は、企業の「サービス・品質」と「コスト」を決定づける最重要の経営判断です。では、「最適配置」を導き出すには、どのような視点が必要なのでしょうか。
今回は3つの視点に絞ってお伝えします。
目次
拠点配置を最適化する「3つの視点」
1. 【経済性の視点】総コストが最小となる「損益分岐点」の特定
立地・拠点数等、どのパターンが最もコストを抑制し、物流を維持できるのかという視点は皆さんの関心事の大きな一つではないかと推測されます。拠点配置を検証する上では、選択肢を変えることによって、コスト増になる項目とコスト減になる項目が混在するケースが多く発生します。
この相反する2つのコストの和が最小となる「U字カーブの底(損益分岐点)」ポイントを特定することです。まずは各社全く異なる条件・サービスレベルの棚卸を行い、拠点配置によってコストに影響する項目の整理がスタートラインです。
2. 【網羅性の視点】需要密度とリードタイムの相関設計
拠点配置は、地図上の「点」ではなく、需要の「密度」で考える必要があります。 大都市圏などの高密度エリアには拠点を近接させて配送効率を最大化する一方、低密度エリアでは「当日・翌日配送」を維持できる限界の距離を定義し、最小限の拠点でカバーする等、全国一律の拠点配置ではなく、エリアごとの「サービスレベル(納品頻度)」と「拠点コスト」のバランスを個別に最適化することが、無駄のないネットワーク構築の鍵となります。
3. 【持続性の視点】労働法規を遵守する「物理的到達圏」の定義
2024年問題以降、配置設計に「時間」という絶対的な制約が加わりました。どんなにコストが安く、需要に近い場所であっても、ドライバーの拘束時間(運転時間+荷役時間)が法規制の枠内に収まらなければ、その配置は持続不能となってしまいます。渋滞や休憩時間を加味した「現実的な走行可能な到達圏」を厳格に算出し、その枠組みの中で拠点を配置していく「コンプライアンス起点の設計」も必要不可欠です。
業界変化・時流から「複数・複雑な要素」による配置へ
かつての拠点配置は「主要ICの近く」や「倉庫群」といった、立地ベースの配置が多く決まっていました。 しかし、不確実性が増す現代において、コスト増や物流が止まるリスクに繋がります。
今、求められているのは、事業将来予測、サービスレベル、コスト、そして法規制という複数の変数から導き出される「最適配置」です。今後の業界変動・事業活動に対する、最適な拠点配置の見直しは早急に進めることをお勧めします。
【関連サービス】強靭かつ、コスト優位なネットワークインフラを策定する「物流拠点再配置」
拠点配置の見直しは、単なる物流改善ではなく、企業の未来を左右する経営戦略そのものです。しかし、膨大な配送データ、複雑な法規制、そして将来の需要予測を自社だけで分析し、最適解を導き出すのは容易ではありません。
船井総研SCでは、独自のシミュレーション手法を用い、貴社の事業戦略に合致した「強靭かつコスト優位な拠点配置」の策定を支援しています。
- ・トータルコストを最小化する拠点数・立地の特定
- ・配送リードタイムとサービスレベルの最適バランス設計
- ・法改正に対応した「持続可能な」配送網の構築
現状のネットワークに課題を感じている、あるいは将来の物流リスクを可視化したいとお考えであれば、ぜひ一度弊社のコンサルティングサービスをご検討ください。
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