なぜ今「4PL」が必要なのか?激変する時代を生き抜くためのサプライチェーン戦略

Pen Iconこの記事の執筆者

矢部 誠

株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティング 
サプライチェーン支援部
4PL・物流不動産チーム チームリーダー シニアコンサルタント

メーカー物流部門、物流子会社を中心とした100社以上のロジステイクス改善コンサルティング・CR・物流システム構築・拠点戦略・輸送戦略を中心に、SCM連携戦略と、ロジスティクスを中心とした経営課題への取り組みを強みとする。

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物流の「2024年問題」から2年が経過しました。運賃の見直しや労働環境の改善など、各社で様々な対策が進んだことでしょう。しかし、物流を取り巻く環境は依然として厳しく、これまでの「現場の改善(3PL)」だけでは限界を迎えつつあります。

そこで今、大きな注目を集めているのが「4PL(フォース・パーティー・ロジスティクス)」です。

今回は、なぜこれからの物流に4PLが必要なのか、その背景にある社会課題と業界課題を紐解きます。

4PLが必要とされる2つの背景

従来の3PLが「物流業務(オペレーション)の外部委託」であるのに対し、4PLは「物流の戦略・設計から管理まで、荷主の立場でサプライチェーン全体を最適化する仕組み」です。これが求められる理由は、主に以下の課題にあります。

1. 深刻化する社会課題

生産年齢人口の減少と深刻なインフラ危機

ドライバー不足は一過性の問題ではありません。少子高齢化が進む中、2030年にはさらに多くの荷物が運べなくなる可能性が指摘されています。個社での労働力確保には限界があり、他社との共同配送や輸送網のシェアリングなど、「業界の枠を超えた全体最適」が不可欠になっています。

GX(グリーン・トランスフォーメーション)への対応

CO2排出量の削減は、企業にとって「努力目標」から「生存条件」へと変わりました。配送ルートの無駄をなくし、積載率を極限まで高めるには、単一の物流会社の中だけではなく、サプライチェーン全体を俯瞰したデータ連携が必要です。

2. 複雑化する業界・企業課題

物流の「ブラックボックス化」と複数ベンダーの管理限界

EC市場の拡大や調達網のグローバル化に伴い、物流ルートは複雑化しています。複数の3PL業者や倉庫会社を起用した結果、「どこに・何が・どれだけあるのか」がリアルタイムで把握できず、管理コストが肥大化している企業が増えています。

自社リソース(ノウハウ・IT)の限界

AIやIoTを活用した物流DXが急務とされる一方、「社内に専門人材がいない」「日々の現場トラブルの対応に追われ、中長期的な戦略を描けない」という荷主企業様が少なくありません。

3PLから4PLへ:何が変わるのか?

これまでは「運ぶ」「保管する」という実務の効率化(3PL)で対応できていました。しかし、上記のような複雑な課題を解決するには、物流を経営戦略の一部として捉え直す必要があります。

項目 従来の3PL これからの4PL
役割 物流オペレーションの実行 物流全体の戦略設計・管理・最適化
視点 倉庫・輸送単体の部分最適 サプライチェーン全体の全体最適
IT・データ 自社システム内での管理 複数企業間をつなぐプラットフォームの構築
関係性 発注者と請負業者 経営課題を共に解決するパートナー

4PLを導入することで、荷主企業は自社に物流の専門知識がなくても、最新のテクノロジーと最適な物流網を組み合わせて、「変化に強い、止まらない物流」を構築することが可能になります。

まとめ:物流を「コスト」から「競争優位性」へ

変化の激しいこれからの時代、物流を単なる「コスト」として削る時代は終わりました。これからは、4PLという客観的な目(パートナー)を入れ、サプライチェーン全体をアジリティ(俊敏性)の高いものへと変革した企業が生き残ります。

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