2026年、荷主企業に求められる「グランドデザイン」 本業とロジスティクスの統合が、戦略を具現化する「最後のピース」となる
はじめに 法改正が迫る、現場任せにできない物流の今
昨今の改正物流効率化法の施行により、物流は単なる「現場のコスト」から「企業の法的責任」へとフェーズを変えました。
特に2026年4月からは、一定規模以上の荷主企業に対して物流統括管理者(CLO)の選任や中長期計画の提出が義務化されるなど、国は経営層のコミットメントを強く求めています。もはや物流をアウトソーシング先や現場任せにできる時代は終わり、経営のアジェンダ(重要課題)として捉え直すことが不可欠です。
経営戦略の具現化としてのロジスティクス
物流を本業としない荷主企業が今持つべき本質的な視点は、「物流・ロジスティクスの役割は、自社の経営戦略や事業戦略を実現するための手段である」という点です。物流は単独で存在する機能ではなく、あくまで「本業が目指すべき姿」を反映した結果としての機能にすぎません。
物流と本業を繋ぐバックキャスト
経営戦略
自社のビジネスモデル・顧客への提供価値の徹底定義
ロジスティクス
輸送力・在庫配置の最適化(本業戦略を形にする実践機能)
1. 本業戦略の同期
「高付加価値戦略」か「低コスト戦略」か、本業のコア価値から逆算して、最適化された物流体制のあり方をデザインします。
2. 組織横断の実行
開発、営業、生産の各部門がCLO体制のもと、商慣習の見直しやリードタイムの設定、配送体制を統合調整します。
3. 最後のピースの配置
「自社主導で運べる仕組み」を構築し、本業の経営・事業目標の完全達成に直結するロジスティクスを嵌め込みます。
例えば、自社が「多品種少量を迅速に届ける高付加価値戦略」をとるのか、あるいは「圧倒的な低コストで市場を制する戦略」をとるのかによって、構築すべき物流網の姿は180度異なります。本業の勝ち筋と連動していない物流は、どれほど現場が効率化を追求しても経営の足を引っ張るリスクになり得ます。
荷主企業は、自社のビジネスモデルが顧客に提供するコア価値を見極め、それを担保するために「どのレベルの輸送力と在庫配置が必要か」という逆算の思考を持たねばなりません。法改正への対応を単なる「規制クリア」で終わらせず、自社の事業構造を強靭化する契機にすること。これこそが、経営と物流を統合的に捉えるということです。
おわりに 次の一歩に向けて
物流の持続可能性が揺らぐ今、本業を伸ばすための最大の鍵は「運べる仕組み」を自らデザインする経営力にあります。自社の経営戦略の実現に向けて、物流をどう位置づけ、再構築していくか。今こそ、トップダウンでのグランドデザイン(全体構想)を描く時です。
7月2日(木)に 「初公開!経済産業省発行「CLO事例集」紹介企業によるCLOの取り組み 企業変革を起こすCLOの全容」というセミナーを予定しています。当セミナーでは経済産業省発行「CLO事例集」紹介企業でもある「梅の花グループ様」に登壇いただき、同社のCLO体制、現場と経営はどう繋がっているのか?具体的な取り組み事例を【初公開】していただきます。本セミナーの内容をもとに、今自社に必要な本業とロジスティクスの統合のあり方を考える機会としてみてはいかがでしょうか。

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