本当に限界か?数値から紐解かなければいけない保管キャパシティの実態 

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小倉 裕太

株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティング 
サプライチェーン支援部
ロジスティクスチーム1 チームリーダー チーフコンサルタント

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本当に限界か?数値から紐解かなければいけない保管キャパシティの実態

保管上限「限界」の錯覚

「倉庫が狭くなってきたから増床や移転を検討したい」という相談は時流を問わず、常に一定数あります。物流担当の皆様も一度は経験しているのではないでしょうか。

しかし、我々目線で現状分析すると保管上限とは程遠いケースが多く見受けられます。担当者が感じる「限界」は物理的な限界ではなく運営管理不足、視覚的錯覚によるものに過ぎません。保管キャパシティは定量的に把握すべきですが、現在使用率何%・余白が何%かという問いに対して、数値で回答出来る現場はわずかです。

分母となる「理論キャパシティ」の算出

理論キャパシティは空間に対して、どの程度の保管容積を確保しているかという極めて単純な数式です。

  1. 立体有効容積の算定:単なる床面積(坪数)ではなく、天井までの有効高を乗じた「立体容積(㎥)」として捉える
  2. 非保管スペースの把握:通路幅、消防法上のクリアランス、荷捌きスペースなど、構造上保管に利用できない空間を把握
  3. 保管什器スペックの把握:什器の段数や間口サイズから格納可能容積を算出

このロジックで導き出された最大格納量が、貴社インフラのポテンシャルを示す「理論キャパシティ(分母)」となります。

「理論キャパシティ」と「実効キャパシティ」の乖離

ここで注意しなければならないのは理論キャパシティの100%活用を目指してはいけないということです。

倉庫のキャパシティには、理論上の最大容積を示す「理論キャパシティ」と、作業効率を損なわずに運用できる「実効キャパシティ」が存在すると考えます。

理論キャパシティに対して保管率が100%に近づくにつれ、荷物の出し入れに際して「荷移し(移動・間引き作業)」や「格納場所の捜索」が多発します。理論キャパシティをベースに作業性を担保した実効キャパシティの設定が「正しい」保管率算定のカギとなります。

理論・実効キャパシティ把握から改善への展開

理論・実効キャパシティを最大限活用するための改善へ展開するためには、必要となる指標を数値可視化することが求められます。

  • 空間充填率(立体活用度):床面積あたりの保管量だけでなく、有効高さに対する空間利用率(間口と荷物のクリアランス)を定量化。
  • 実効限界保管率:荷姿に起因する荷移し等の無駄が発生し、作業生産性が低下し始める限界値。
  • 波動吸収:出荷波動(季節・曜日変動)に耐えうる、常時確保すべきバッファ領域の数値を算定。

例のような視点にて数値化・可視化していくことで、貴社センターにおけるムダ・改善点を明確にすることが可能となります。

これら一連の流れをまずは数値化・可視化していくことが保管キャパシティを正しく把握し、評価していく上で必要不可欠です。感覚と数値のギャップを常に整理していくことが正しいキャパシティ活用へ繋がります。

私たち船井総研サプライチェーンコンサルティングは、机上の空論ではなく、実行までご支援させていただくことを強みとしております。現状のキャパシティ診断及び改善についてお気軽にご相談ください。

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