「優秀なドライバー」を「優秀な管理者」へ変えるための「2ステップ育成術」

Pen Iconこの記事の執筆者

山口 哲也

株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティング 
物流ビジネス支援部
組織開発グループ 整備チーム チームリーダー チーフコンサルタント

運送・物流会社の「安全指導」や「管理職教育」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。現場で抱える、安全指導に関する課題に対して、最適な指導方法の提案や指導の仕組化を得意としている。トラック協会での講演経験も多数あり、現場主義の考え方のもと、安全指導・事故削減に対する課題解決のノウハウを数多く持っている。

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

多くの運送会社が陥る「管理者育成」の壁

運送会社が規模を拡大する際、不可欠なのが「管理者育成」ですが、多くの現場では「優秀なドライバーを管理者に昇格させたが、うまく機能しない」という壁にぶつかります。その原因は、教育の「順番」を間違えていることにあります。

管理者を育てるには、いきなり業務を丸投げするのではなく、次の2つのステップを正しい順序で踏む必要があります。

管理者を自律させる「2つのステップ」

ステップ1:まずは「日時と行動」を具体的に決めてあげる

新任の管理者に、いきなり「自分で考えて動いて」と伝えるのはハードルが高すぎます。まずは迷わないように、「いつ、誰に、何をするか」をスケジュール帳にそのまま書き込めるくらい、具体的に決めてあげることが大切です。不慣れなうちは、「月に〇回」という大まかな指示だと、日々の忙しさに紛れて後回しになりがちだからです。

添乗指導の指示例

「毎月第1・第3火曜日の午前9時から、直近でヒヤリハットを起こしたドライバーAさんのトラックに同乗し、30分間の添乗指導をしよう」

現場パトロールの指示例

「毎週月曜日の朝8時から15分間、〇〇営業所の車庫で、出発前ドライバーの輪止め使用と服装の安全確認をしよう」

この段階では、社長が「行動の型」を作ってあげます。日時まで決まったルーティンとして動くことで、管理業務の「リズム」が自然と体に染み込んでいきます。

ステップ2:慣れてきたら「自分で決める領域」を広げる

スケジュール通りに動けるようになったら、次のステップへ。ここで初めて、具体的な計画を本人に委ねていきます。
「誰に・いつ添乗するか」「どこを重点的にパトロールするか」を本人に立案させる。その後、 自分で立てた計画を実行し、その結果を社長に報告させる。

「決められた行動をこなす」段階から、「必要なスケジュールを自分で決める」段階へ。この順番を守ることで、指示待ちではない「自律した管理者」へと育っていきます。

会社側が「行動の型」を用意する重要性

管理者が育たない原因の多くは、本人の能力不足ではなく、会社側が「何を、いつ、どうやるか」という具体的な行動ベースまで落とし込めていないことにあります。

組織の成長を個人の限界で止めないために。
まずは、管理者に動いてほしい日時とアクションを確定させ、「型」を一緒に作っていくことから始めてみませんか。

【関連セミナー】物流新時代を勝ち抜く「自走型」管理職の育て方セミナー

2024年問題(時間外労働の上限規制適用)から2年近くが経とうとしています。
今後は人材採用・育成・定着率UP、営業強化、協力会社・輸送ネットワーク強化などの対外業務、デジタル化推進に加え、トラック新法に対応した労務・運行管理など取り組むべきことは山積で、社長1人の力で解決することは難しく、管理者の育成・社内体制の強化は避けては通れません。

Pen Iconこの記事の執筆者

山口 哲也

株式会社船井総研サプライチェーンコンサルティング 
物流ビジネス支援部
組織開発グループ 整備チーム チームリーダー チーフコンサルタント

運送・物流会社の「安全指導」や「管理職教育」をメインテーマとしてコンサルティングを行っている。現場で抱える、安全指導に関する課題に対して、最適な指導方法の提案や指導の仕組化を得意としている。トラック協会での講演経験も多数あり、現場主義の考え方のもと、安全指導・事故削減に対する課題解決のノウハウを数多く持っている。

≫ 物流企業向け経営コンサルティングについて、くわしく知りたい方はコチラ

その他の記事を読むArrow Icon

人気の記事

ページの先頭へ