これからの運送業の人事制度-成果主義と結果主義
2026年2月10日配信のコラムでは、「トラック適正化二法」で「公正な評価に基づく賃金の支払い」が「法的義務」、「許可更新の要件」になることをお伝えしました 。
今回は、人事評価や報酬決定の基準・考え方として4つの観点(成果主義・結果主義、実力主義、職務主義)を紹介いたします 。それぞれ、評価の「対象」や「プロセスへの配慮」に違いがあり、順に解説いたします 。
目次
人事評価の4つの観点
成果主義
個人の出した成果(利益や達成度)に基づいて評価する制度 。結果だけでなく、そこに至るプロセスや努力も加味される傾向があります 。
結果主義
プロセスを一切考慮せず、最終的な数値や結果のみで評価する考え方 。成果主義よりもドライで、数字がすべてという側面が強くなります 。
実力主義
年齢や経歴に関わらず、本人の持つスキルや能力(実力)を評価 。成果主義と同義で使われることも多いですが、より「個人のポテンシャル」に重きを置くニュアンスが含まれます 。資格の有無、専門知識、リーダーシップなど、「成果を生み出すための力」があるかを評価します 。
職務主義
本人の能力や成果ではなく、「担当している仕事(職務)の価値」に対して報酬を支払う考え方 。欧米で一般的な「ジョブ型」のベースとなる考え方で、「人」ではなく「ポジション」に給与がつきます 。
成果主義と実力主義はどう違うのか?
上記の「成果主義」と「実力主義」は、どちらも年齢や勤続年数(年功序列)に縛られない評価スタイルで混同されやすいですが、「何を評価のゴールにするか」という観点、「評価の対象」に明確な違いがあります 。
| 項目 | ①成果主義 | ②結果主義 | ③実力主義 | 職務主義 |
|---|---|---|---|---|
| 評価の対象 | 仕事の成果(目標達成度)+プロセス | 最終的な数字・成否 | 保有(発揮)能力・スキル | 仕事の内容・役割 |
| スタンス | 期待に応えたか。 日本で広く普及。結果と努力のバランス。 |
勝てば官軍。 非常に明確だが、プロセスが無視される。 |
何ができるか。 年功序列の対義語。若手でも実力があれば昇進。 |
何を任されたか。 「この仕事ならいくら」と決まっている。 |
| 重視する点 | 工夫や努力も一部加味。 | 過程は一切問わない。 | 知識・資格・潜在能力。 | 仕事(役職)そのものの価値。 |
| メリット |
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| デメリット ・懸念点 |
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自社の人事制度はどれ? 運送業界によくある落とし穴
いかがでしょうか 。給与に占める歩合給の割合が多い運送会社ほど、「当社は成果主義・実力主義だ。」とおっしゃる傾向があるのですが、実は「結果主義」だということがわかります 。
また、未払訴訟を経験した会社は、職務主義で固定給が多く、誰がやっても同じ給料になりがちで、実労働時間で割増賃金を支給している場合は、「給与=労働時間」 。場合によっては、能力の低い社員ほど給与が高くなる傾向があります 。
これからの運送業の人事制度は、月給は実力主義をベースとした職務主義、賞与や一部手当は成果主義になるように設計し、トラック適正化二法や人手不足に対応する必要があります 。
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